悪女な私とは婚約破棄してください。なのに、冷徹社長の猛愛からは逃げられない
「ありがとうございます。鷹井社長にお話を持ちかけてからたった一週間なのに、ここまで準備をしてくださっていたとは驚きました」
志桜が感謝を伝えると、彼は笑って首を横に振る。
「僕は鷹井の指示に従っただけですから。その言葉は僕ではなく彼に」
そんな言葉で、彼は楓に視線を送る。楓がチラリとこちらを見た。
(今日、楓さん本人が来るとは思っていなかったら対峙する心の準備が……)
とはいえ、社会人としての礼儀は大切だろう。志桜は彼にも礼をする。
「ご尽力くださってありがとうございました」
「別に。こちらも仕事だ」
彼は今日も、安定の無愛想ぶりだ。一瞬シンとなってしまった場をフォローすべく雄大がことさら明るい声で言う。
「いやぁ今後の進捗が楽しみですね。すぐに仕様書の作成に入りますので、また適宜ご連絡させていただきます」
「はい。どうぞよろしくお願いします」
(担当者が園村さんでよかった)
なごやかな空気を維持できたのは間違いなく彼のおかげだ。愛想がない者同士の楓と志桜では進む話も進まなくなりそうだから。
今日は純粋にビジネスの話だったのだろうと油断していたら、別れ際に楓に「少し話せるか?」と呼び止められてしまった。
「じゃあ、僕はお先に失礼させていただきます」
志桜が感謝を伝えると、彼は笑って首を横に振る。
「僕は鷹井の指示に従っただけですから。その言葉は僕ではなく彼に」
そんな言葉で、彼は楓に視線を送る。楓がチラリとこちらを見た。
(今日、楓さん本人が来るとは思っていなかったら対峙する心の準備が……)
とはいえ、社会人としての礼儀は大切だろう。志桜は彼にも礼をする。
「ご尽力くださってありがとうございました」
「別に。こちらも仕事だ」
彼は今日も、安定の無愛想ぶりだ。一瞬シンとなってしまった場をフォローすべく雄大がことさら明るい声で言う。
「いやぁ今後の進捗が楽しみですね。すぐに仕様書の作成に入りますので、また適宜ご連絡させていただきます」
「はい。どうぞよろしくお願いします」
(担当者が園村さんでよかった)
なごやかな空気を維持できたのは間違いなく彼のおかげだ。愛想がない者同士の楓と志桜では進む話も進まなくなりそうだから。
今日は純粋にビジネスの話だったのだろうと油断していたら、別れ際に楓に「少し話せるか?」と呼び止められてしまった。
「じゃあ、僕はお先に失礼させていただきます」