悪女な私とは婚約破棄してください。なのに、冷徹社長の猛愛からは逃げられない
「君は二階の奥の部屋を自由に使って。鍵もかかるから安心してくれ」
「はい」
長引く円安とシリコンバレーの物価高でやむを得ずとはいえ、彼とひとつ屋根の下という状況をどう考えたらいいのか複雑ではあったのだけれど……想像以上の豪邸ぶりで、同じホテルに別の部屋を取ったくらいの感覚で過ごせそうだ。
部屋にスーツケースを置き、小さなショルダーバッグに持ち変える。
朝晩はやや冷え込むと聞いたので、ネイビーの小花柄ワンピースにざっくり編まれた焦げ茶色のカーディガンを羽織る。足元はバッグと同じキャメル色のブーツ。
「それじゃあ行くか」
「よろしくお願いします」
ふたたび彼の車に乗り込んで、サンノゼの中心部に出る。落ち着いた雰囲気の美しい街だ。大通りには路面電車が走っていて、その両脇には世界的大企業のオフィスが立ち並ぶ。
「君の企画の参考になりそうな店をいくつか回ろう。うちのAIを導入してくれているクライアントたちだ」
楓が最初に案内してくれたのは女性向けのアパレルショップ。入口を入ってすぐのところに大きな鏡があった。
「スマートミラーだ。自分の姿をここに写すとAIコンシェルジュが似合う色やデザインの洋服を探してくれて、バーチャル試着ができる」
「はい」
長引く円安とシリコンバレーの物価高でやむを得ずとはいえ、彼とひとつ屋根の下という状況をどう考えたらいいのか複雑ではあったのだけれど……想像以上の豪邸ぶりで、同じホテルに別の部屋を取ったくらいの感覚で過ごせそうだ。
部屋にスーツケースを置き、小さなショルダーバッグに持ち変える。
朝晩はやや冷え込むと聞いたので、ネイビーの小花柄ワンピースにざっくり編まれた焦げ茶色のカーディガンを羽織る。足元はバッグと同じキャメル色のブーツ。
「それじゃあ行くか」
「よろしくお願いします」
ふたたび彼の車に乗り込んで、サンノゼの中心部に出る。落ち着いた雰囲気の美しい街だ。大通りには路面電車が走っていて、その両脇には世界的大企業のオフィスが立ち並ぶ。
「君の企画の参考になりそうな店をいくつか回ろう。うちのAIを導入してくれているクライアントたちだ」
楓が最初に案内してくれたのは女性向けのアパレルショップ。入口を入ってすぐのところに大きな鏡があった。
「スマートミラーだ。自分の姿をここに写すとAIコンシェルジュが似合う色やデザインの洋服を探してくれて、バーチャル試着ができる」