白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 髪は普段やならいハーフアップにされ、しかも何を付けたのか輝いて見える。
 派手じゃないかしら、さすがにこれは。
 昼間よね、今。
 夜会とかに行くんじゃないんだし、こんなに派手な恰好で大丈夫なの、私。

 変に気合入りすぎた痛い人になってないかしら。
 だいたい生足ってなによ。
 しかも親指以上も長いヒールの靴なんて初めてだし。

「化粧もバッチリじゃない。貴女、何が不服なの?」
「いや、バッチリすぎちゃって。派手じゃないですか? こんなにしちゃって大丈夫ですか?」
「なにそれ、なんの心配よ、まったく」
「だって……」

 化粧なんて、結婚式の時しかしたことないし。
 あの時は異様に似合ってもなかったから、違う意味で気になって仕方なかったけど。

「普通の貴族なら、昼間でもそれでおとなしい方よ」
「これで大人しい……貴族って大変ですね」

 このドレス一枚で、金貨一枚以上しそう。
 これなら確かにドレスを夜会の度に作ってたら、すぐこの男爵家なんて没落しそうね。

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