白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「一つ銅貨二枚だぞ」

 確か原価は一つ銅貨一枚もしなかった気がするけど。
 倍以上で売りつけようなんて、さすがとしか言えないわね。

 だけど父は自分で使ったことがないから、あれの価値を全く分かっていない。
 
「もちろんです、お父様。少し借りていきますね」
「せいぜいたくさん売りつけてこい」
「はい。頑張ってきます」

 私はとびきりの作り笑顔のまま、父の執務室をあとにした。
 作業場で持てるだけの薬玉を袋に入れてもらうと、馬車に乗り込む。

 馬車はやや疲労困憊(ひろうこんぱい)する私を乗せ、公爵家へ向かう。

 そして彼は、この前の表情が嘘のように私を出迎えてくれた――
< 122 / 236 >

この作品をシェア

pagetop