白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「何かございましたか? お忙しいようでしたら、私はまた……」
「いや、いい。ただすまない。部下が一人報告に来たようで。少しいいだろうか?」
「席外しましょうか?」

 お菓子は名残惜しいけど。
 でも、うん。絶対に帰ったら二人から意地汚いとか言われそうだし。

「このままここにいてくれ。すぐに追い返すから」
「それはそれでいいんですか?」
「ああ。どうせくだらない報告だ」

 そう言っている傍から、騎士団の服を着た男性が大股でズンズンとこちらに歩いてくる。
  近くにいたスラリとした茶色い短髪のやや若い騎士は、この前見た人だと思う。

「くだらなくなんてありませんから。そんなこと言わないでくださいよ、団長」
「人の休日にこんなとこまで押し掛けてくるからだ」
「そうは言いましても……」

 わざわざ報告しなきゃいけないような事態って、結構なことだと思うのよね。
 さすがに私、やっぱり邪魔じゃないかしら。

「誰かと思えば、ダントレットの」

 私を見た若い騎士は、ややうんざりしたような視線をこちらに投げかけていた。

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