白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「食べたことないんですか?」
「ええ」
「ダントレットの娘なのに?」

 せっかく親切にお菓子の説明をしてくれたと思ったのに、安定にニカの言葉にはトゲがある気がするのよね。
 もっともそれぐらいに、うちの名前が悪名高いってことなんだろうけど。

「ないですよ。使用人なんかに父がこんなもの食べさせてくれるわけないじゃないですか」
「使用人って、貴女は娘だろう」
「どっちにしても同じですよ?」

 父にとっては、ね。
 あの人のお金はあの人だけのものだもの。
 娘なんてむしろ使用人以下って思ってないかしら。
 自分の持ち物って意味で。

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