白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 バラ病がまだ流行ってもないのに、何言っちゃってるの私。
 ダメでしょう。二人が不審な目で見てるじゃない。

「民間療法なんですよ。うちの侍女たちが教えてくれて。風邪引いた時用に庭で育てて増やしたいなと」
「医者にはかからないのか?」
「医者? ええ、はい」

 そっか。普通なら医者にかかるのよね。
 前世だって一回も医者に診てもらったことはなかったなぁ。

 そもそもバラ病だって、治療法が分かってからは医者にかかる人はいなかった気もするけど。

「ニカ……」
「あ、はい。すぐに男爵家へ届けさせます」

 何か二人は無言のまま目で会話をしていたけど、私にはその内容がまったく分からなかった。
 だけど当初よりも話が進んだことで、一人ホクホクしながら公爵家の馬車で帰路についた。
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