白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「そうだな……、純粋なる好意というのではダメだろうか」
「は!?」

 あまりにも素っ頓狂で大きな私の声が、部屋に響き渡る。
 しかしなぜか私の隣では、マリアンヌが口許に手をやりながらクスクスと笑っていた。

「え、え、え? 本気で言ってます? 先ほどの冗談ではなくて?」

 状況が飲み込めず、私は二人を交互に見る。
 私のあまりの挙動不審さに、マリアンヌが先に口を開いた。

「だから言ったじゃない。貴女、気づいてなかったの?」

 何がと言いかけて私も止まる。

 好意でってことよね。
 普通、気づかないでしょう。
 どこにそんな要素があったというの。

 そこまで考え、今までのブレイズの行動を振り返ってみる。
 普段社交界に顔を出さなかった彼。

 浮わついた話もなければ、特定の女性との話も聞かない。
 だけどそんな彼が私をお礼だと言って自宅に招いてくれた。

 しかもその後だって、広場でのお礼と言うには多すぎるほど贈り物をくれた。

 ただの同情だって思っていたけど、そうじゃなかったってこと?

「マリアンヌ様は気づいてたんですか?」
「なんとなくはね。だけど確信を持ったのは、この前の夜会の時で、だけどね。だいたい、ただの知り合いなだけの人の旦那が愛人を持っていたからと言って、ここまで激怒する?」
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