白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「……しない……ですかねぇ?」
「しないでしょーよ」

 何こいつとは思っても、激怒まではしないか。
 だけど、だけどよ。
 本当に好意なの……かな。

「そうだとしてもですよ。接点なんてなかったですし、まだ会ったばかりではないですか」
「恋に落ちるなんて一瞬よ。理屈ではないことくらい、分かるでしょ?」

 マリアンヌを見ていれば、それだけは恋愛に疎い私でも分かる。
 分かるけども、それが自分に当てはまるかと言われたら、分からないのよ。

「会ったばかりではないんだ。君に助けられたのは、あの広場で二回目なんだ」
「え、二回目?」

 記憶になんてないけれど、私は前にもブレイズを助けたってこと。
 でも、どこでだろう。

 だいたい、前の人生では出てこなかったような人なのに。
 もしかして、どこかで私見落としていたのかしら。

「ずいぶん前だからな。覚えていないのも当然かもしれない。昔、子どもの頃に地下に迷い込んでしまった時に、君に助けられたんだ」
「地下……」

 ブレイズのその言葉に、私は記憶の端を辿った。
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