白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

55 出会いは偶然で

「道具はみんなで手分けして全部回収出来たけど、今日はネズミが多すぎるわ」

 私は薄暗く、四方に伸びる地下道を眺めた。
 この王都全域の下水は、この地下道を通じて海へ排出されている。

 ダントレット商会は国から依頼を受け、定期的にこの地下道の清掃を行っていた。

 地下は城に続く道もあるため、かなり入り組んだ造りになっている。
 そのため清掃を行う従業員は経歴が長い者や、記憶力が良い者から選ばれていた。

 そして一番重要なのは、この地下に潜むモンスターであるネズミたちから逃げ出すために、体が小さく足が速い者が選ばれた。

 だからそう。この清掃に来るのは、私のような十歳以下の子どもばかり。
 お父様はこれが効率がいいって言うけど、体が小さい分、清掃道具などの管理がとても大変だ。

 この前だってほうき一つ置き忘れただけで、掃除に参加させられた子たちは丸一日食事抜きになった。

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