白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 ほんのり光るそれは、わずかに道を見分けられるのみ。

 どうする?
 音のある方へ行けば、きっとナニカがある。

 迷い人か、仲間か。
 それすら灯りのない中では分からない。

 お父様なら、自分の身を一番にして、助けられない者は見捨てろと言う。
 実際問題、私もそれだけは同意だ。

 こんな小さな体で、武器もなく、助けに行って何になる。
 たとえ仲間が襲われているにしても、到底助けられるわけもない。

 小刻みに足が震えていた。
 ここは決して安全ではない。
 いつだってあんな少ないお金のために、命をかける場なんだ。

 事故にあった者やネズミに襲われてけがをした者は、お父様が容赦なく切り捨ててきた。
 きっと私だって例外ではない。

 あの人にとって、娘なんていうのはただの肩書でしかないから。

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