白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「でも……」

 私はポーチに手をかけながら、走り出す。
 無謀だと分かっていても、仲間を見捨てることなど出来なかった。

 入り組んだ道を奥へ奥へと進むと、何かを持った小さな影と数匹のネズミの姿が見える。
 やっぱり、襲われていた。
 今日は数が多かったから、道を間違えた子は巣穴近くに来ちゃっていたんだわ。

 私は手をかけていたポーチから薬玉を手に取ると、それをネズミに投げつける。
 閃光と煙が出た瞬間、私は立ちすくむその子の手を取り、走り出した。

 あの薬の効果はあまり長くない。
 この狭い空間なら、普通は追って来ないだろうけど、これだけ多いネズミの数を見たことはない。

 繁殖期だからなのか、たまたま餌が多かったのか。
 おそらく隠れて見えていない分も含めると、百は優に超えていそう。

 薬玉の効果が届かない範囲の奴らが、いつ攻撃を仕掛けてきてもおかしくはない。
 急いで入り口から広場に出てしまわないと。

 私はその子の手を引いたまま、ただがむしゃらに走った。
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