白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

56 逃げ道

 たくさんの足音と、光る瞳。
 振り返らなくとも、自分たちを追ってきているということは容易に分かる。

 分かるからこそ、もう逃げ切るしかない。
 あんなにたくさんの群れでは、薬玉だって役に立たないはずだ。

 捕まったら、きっと怪我では済まないだろう。
 もっと悲惨な運命が待っているだけ。

 なんでこの子を助けたのだろうと後悔してみても、きっと同じ場に立ったら同じ行動をしていたのだろうから、考えても意味はないか。

 薄っすらと目の前に、地上へ続く灯りの差し込みが見える。
 
「あの縄はしごさえ登れば、外よ!」

 私は指さしながら、大きな声をかける。
 手を引かれたその子は、大きく頷いた。

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