白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「申し訳ありません、奥様。でもまだこれから劇団の資金集めに向かわないといけなくて」
「そんなのもう少しあとでもいいじゃないのぉ。もう帰ってしまうなんて、わたし寂しいわ」

「ボクもですよ、奥様。だって奥様の隣が一番心地いいんですから」
「まぁ。うれしい」

 どこの恋人たち逢引(あいび)きかと思うくらいの会話が、流れ込んでくる。
 しかし相手は義母と誰か、だ。

 相手の声は明らかに若い。
 もしかすると私よりも若いかもしれないわね。

 それにさっき出てきた劇団の資金という言葉。
 どうやら相手は、平民の劇団員らしい。

 だだそれにしては、置いてあった馬車が豪華だったのはどういうことかしら。

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