白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

20 増える悩みの種

「奥様のそばは本当に心地いいです。でも……劇団のためにはしかたないんです」
「……いくらくらい必要なの?」
「でも……奥様にはずっと援助してもらっていますし。そんなことを頼むなんて心が……」

「いいのよ、そんなこと。いまさらじゃない。わたしは貴方の力になりたいのよ。そのためなら、惜しいコトなどないわ」
「奥様……」

 あー、つまり姑はいいカモ……体よく言えば、パトロンってことね。
 もしかしたら他の貴族の夫人たちも、彼に投資(とうし)しているのかもしれない。

 そうじゃなきゃ、あんなに豪華な馬車になんて乗れやしないもの。
 むしろ劇団が困窮(こんきゅう)しているってこと自体、嘘だって可能性もあるし。

 だいたいちょっと怪しいわよね、この子。
 確かに演技は上手いと思うけど、本当に劇団員なのかしら。

 なんかただ資金を貴族のマダムたちからかき集めているようにしか思えないんだけど。

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