白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 だけど、それにしても本当に困ったものだわ。
 仮にこの男爵家が大金持ちならいいのよ。

 でも没落寸前までいっているというのに、いまだにこんな風に散財を続けるだなんて。 
 よほど自分からこの家を潰したいとしか思えないわね。

「ですがこの男爵家は……その……」
「ああ、お金のことを心配しているのね」
「だってもしものことがあったら、ボクはもう奥様に会えなくなるじゃないですか!」

 奥様じゃなくて、貢がせ先が一個なくなるって誰か教えてあげればいいのに。

 没落させずに、細くながーく甘い蜜を提供してもらった方が、相手もいいでしょうからね。

「それなら大丈夫よ。うちの息子がダントレット商会の娘と結婚したのよ。本当は貴族ではない娘をここに入れるのは嫌だったのだけど、どうしてもって頼み込まれてね」

 うわぁ。よく言うわ。

 あの父が頼み込むなんてこと、するわけないじゃないの。
 ただチラつかせた金に目がくらんだだけでしょう。

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