白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 でもそれに、そうは簡単にいかないのよね。
 この男爵家がお金持ちになるなんてことは、残念ながら一生ないのよ。

 むしろあなたにつぎ込んでなくなるって感じよね。

「アンリエッタ様、どうされます?」

 義母たちが部屋を出たのを確認すると、そっと窓をしめた。
 どうします、か……。

「どうするもこうするも……今のところ、全容を把握するまでは手の出しようがないわね」

 相手の顔も素性も分からなかったし。 
 お金の流出を止めるには、引き離した方が得策なのだろうけど。

 あの役者は他の貴族とも繋がっているみたいだし。
 少し慎重に対応しなくてはね。

 んー。一度、あとを付けてみるのも手かもしれないわね。
 あの真っ白く大きな馬車は街中では目立つだろうし。

 彼が本当に劇団員なのか、調べてみないことには何も始まらないわ。

< 57 / 236 >

この作品をシェア

pagetop