白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 私はまるで引き寄せられるように、あの橋に足を運んでいた。

 橋の上から川を眺める。
 流れは見た目こそゆるやかだが、底は見えない。
 
 落ちた時に思ったけど、結構深かったのよね。

「私、上手くやれてるかしら」

 水面に映る自分を見つめた。
 フードから覗く自分の顔にはあの頃あったバラ病のあざはなく、顔色だってそんなに悪くはない気がする。

 だけど少し痩せたかな。
 あの家のご飯って、商会よりもずっと質が悪く栄養もないのよね。

 バラバラで食べている昼食や夕食に、あの二人はいいものを食べているんだろうけど。

 私たちに回ってくる食事は、ほぼ野菜くずのような色のないものばかり。
 肉なんて、ほとんど食べたこともない。

「いくら嫁憎しっていってもねぇ」

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