白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 商会でのご飯が美味しいなんて思う日が来るとは、思わなかったわよね。

 基本的に、あれはみんなで作っていたからなぁ。
 大人数分を大きなお鍋で作って、みんなで食べる。

 中にはちゃんと肉も入っていた。
 ただまぁ、なんの肉かは考えないようにしていたけど。

 でも大人数でワイワイと食べるのは楽しかったな。

「ミーアたちが屋敷に来てくれた以上、食事はどうにかしなきゃ」

 昼と夜は基本的に厨房に残った食材で料理をしているけど、まず残っているものがすでに散々なのよね。

 一人の時は気にしなかったけど、さすがにあの子たちがかわいそうだもの。
 とりあえず今日は何かお土産でも買って帰ろうかな。

「あれ?」

 ふと、橋の向こう側をあの豪華な役者の馬車が足早に駆け抜けて行くのが見える。

「あの馬車! ちょっと、動き出すの早すぎじゃない?」

 昼くらいにはどこかの貴族の家にでもお金をせびりに行くかと思っていたけど、まさかこんな早朝に動きがあるなんて。

 広場で何かを食べながら、馬車が通り過ぎるのを待っている計画が台無しだわ。

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