白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「自分でも馬鹿だって分かってるから、笑ってもいいのよ。みっともないでしょう? いい歳して、こんなの」
「いいえ。それほどまでに愛されるあの人が、むしろ羨ましいですわ」
「……そう」

 マリアンヌは少し驚いたように目を見開いたあと『ふふふ』と笑った。
 
「聞いてもいいですか?」
「どうぞ」
「あの人のどこが良かったんですか?」
「それを聞いてどうするの?」
「いや、興味本位で。私には一つも良いところなんて、ないとしか思えないので」

 きっぱりと言う私に苦笑いをしながらも、マリアンヌは嫌な顔一つせず全て教えてくれた。

 二人の馴れ初めから、恋に落ちた経緯。
 
 人の恋バナを聞くのは初めてのことであり、一瞬自分の夫と愛人の話であるなんてことは忘れてしまうような感覚さえ覚えた。

 それほどまでにマリアンヌはただ純粋に、どうしようもないダミアンを愛してきた。

 この結婚が二人を()かなければ、没落したダミアンを支えてマリアンヌが望んだ未来が来るはずだった。

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