白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 質素で何もなく、でも二人だけの世界。

 それがお金に目がくらみ、マリアンヌを愛人に据える形でダミアンは裏切った。
 ある意味、マリアンヌだってこの結婚の被害者だ。

 私は本当になにも知らなかったのね。
 ううん、たぶん知ろうともしなかった。

 そんなことにすら意味を持てないほど、自分の頭で考えることを放棄していたんだわ。

 目の前にいるのはみんな、生きた人だったのに。

 その人たちの過去や中身を知ろうともしないで、ただ課せられた役割に沿って生きて死んだ。

 ある意味、一番の馬鹿は私ね。

「私の計画を裏から手伝ってくれるのならば、マリアンヌ様の望む未来を約束しますわ。ただ時間はかかってしまいますが」
「時間なんてどうでもいいのよ。確約された未来さえあれば、アタシはそれでいいの。それに近頃、あの人が貴女に興味を持ち始めたみたいで」
「は⁉」
「気づかなかったの?」
「いや、人として少しは~くらいにしか思ってもみませんでした」

 なんとなくはそんな気もしないことはなかったけど。

 でも私とマリアンヌではまったくタイプが違うじゃない。
 豊満な体もないし、華やかさもない。

 ちょっと、もしかしてダミアンってかなり手当たり次第な人なのかしら。

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