白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

31 パトロンの正体

 今夜は月のない日だった。
 窓から見える空は雲一つなく、どこまでも闇が広がっている。
 そして小さなランプのみの部屋はどこまでも薄暗い。

「ふぅ」

 ミーアは先ほど、マリアンヌの元へ手紙を届けてから今日はそのまま休むと言っていた。

 あの手紙が前向きなものなら、父に一つ貸しが出来るかもしれないわね。
 公爵家とのパイプ。
 こんな貧乏男爵家よりもっと上の人だもの。

 父も私には口出し出来にくくなるはず。
 とは言っても、まったく口を出さないことはないだろう。

 あの人にとっては貴族だろうが、なんだろうが基本的には関係ないのだから。
 怖い物知らずもここまでくるとホントに嫌ね。

「すぐに返事の手紙が届くといいんだけど」

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