雨の闖入者 The Best BondS-2
*
その後三人は厳重に雨よけの準備をして、ユーノの海側ではない方……つまり森の中に点在する湖へと向かった。
借りた地図を手に案内するのはジストだ。
地図を余りまともに見ずに直感で動こうとするエナと、根本的に方向感覚が良いとは言えないゼルに任せていたら、時間がいくらあっても足りない。
結局その日は三つの湖を回ったが、何処にもそんな雨雲精製装置のようなものは見当たらなかった。
「これだけ雨、毎日降っても、ここらの湖は溢れないんだね」
道中こんな疑問を口にしたエナにジストが意気揚々と答えた。
「ジストさんの心の湖はエナちゃんへの愛で常に溢れてるけどね」
「ンなこたぁ誰も聞いてねェよ」
「あ、そう? 残念だなー。ここらの湖同士が地下で繋がってんのかもよ?」
なんだかんだ言いながらもジストは律義に質問への可能性を口にする。
エナが歩きながら長靴で地面を蹴った。
水がぱしゃりと跳ねて水溜まりに波紋が小さく広がり消えた。
「……だとしたら、湖自体に人為的な作為、感じるわ」
だが、それだけだ。
他の手掛かり……人が訪れた気配や、最近人が手を加えた何か、等。
そういったものは一切存在しなかった。
その後三人は厳重に雨よけの準備をして、ユーノの海側ではない方……つまり森の中に点在する湖へと向かった。
借りた地図を手に案内するのはジストだ。
地図を余りまともに見ずに直感で動こうとするエナと、根本的に方向感覚が良いとは言えないゼルに任せていたら、時間がいくらあっても足りない。
結局その日は三つの湖を回ったが、何処にもそんな雨雲精製装置のようなものは見当たらなかった。
「これだけ雨、毎日降っても、ここらの湖は溢れないんだね」
道中こんな疑問を口にしたエナにジストが意気揚々と答えた。
「ジストさんの心の湖はエナちゃんへの愛で常に溢れてるけどね」
「ンなこたぁ誰も聞いてねェよ」
「あ、そう? 残念だなー。ここらの湖同士が地下で繋がってんのかもよ?」
なんだかんだ言いながらもジストは律義に質問への可能性を口にする。
エナが歩きながら長靴で地面を蹴った。
水がぱしゃりと跳ねて水溜まりに波紋が小さく広がり消えた。
「……だとしたら、湖自体に人為的な作為、感じるわ」
だが、それだけだ。
他の手掛かり……人が訪れた気配や、最近人が手を加えた何か、等。
そういったものは一切存在しなかった。