吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
「深緋はまだ間に合うだろ?」

 その言葉にいっとき口をつぐみ、小さく首肯する。恥ずかしくて、頬が熱くなった。

「人間になる方法があることと、その条件を……リリーさんはどうやって知ったの?」

「そうだねぇ」と相槌を打ち、カップの淵に口を付けてから、彼女は少し考える素振りを見せた。

「どうやって知ったって言われれば、これは伝聞としか答えられないんだけど」

 伝聞。

「誰かから聞いたって事?」
「そ。美郷(みさと)……、あんたの母親からね」

 私の……お母さんから?

 深緋は言葉をなくし、暫し祖母を見つめた。首から下げたロケットペンダントを服の上から握りしめた。

「もう五十年以上昔の記憶になるからねぇ。そこまで詳細に覚えてる自信は無いんだけど……」

 そう前置きをしてから、祖母は初めて母の話を聞かせてくれた。

 それを語る上で、若かりし頃の祖母の生活から話は始まった。

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