吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
♯7.母の死を知り、決意を固める。
祖母は若い頃からずっと、体を売る夜の仕事をしていたらしい。
仕事中に接する男性から血を貰い、中でもパトロンと呼ばれる男性と関係を持ち、その人との間に出来た子供が美郷、すなわち深緋の母だった。
パトロンの男性から資金援助を受けるものの、男性は妻子持ちだったそうで結婚は望めなかったらしい。
元より愛してなどいない男性なので、祖母としては娘との生活さえ継続出来れば籍を同じくするのはどちらでも良かったそうだ。
夜の仕事である水商売を続けながら、娘を成人まで育て上げ、その頃に美郷との関係性が切れたのだ、と。祖母は悲しそうな瞳で言った。
「あの子はもう小さい頃からずっと……アタシのしていた事を、軽蔑していたんだ。
ハタチを過ぎた頃、何の前触れもなく家を出たいと言われた。子供の頃からコツコツ貯めたお金を元に、これからは自分一人で生活していくと言って家を出て行った。
止めたって聞きゃしなかった。美郷の意思は堅くて、どうしようもなくて……仕方なく送り出すしかなかったよ」
「それで……お母さんとは別々に暮らしたの?」