吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 白翔はキッと口を引き結び、「そんなの」と語気を強めた。

「知りたいと思うに決まってんじゃん! 深緋が言いたくないことは別としても、その秘密を俺と共有したいと思ってくれるんなら……、俺は、深緋の全部が知りたいよ!」
「……そっか」
「うん」
「……ありがとう」

 白翔の想いが嬉しくて、目を伏せて微笑んだ。再び歩みを進め、公園の入り口を通り過ぎる。

 意味深な問いがやはり気になったのか、少しして白翔が顔を覗き込んできた。

「俺に言えない秘密があるの?」

 深緋はやんわりと笑い、また左右に首を振る。

「違うよ……。もしもの話だよ。白翔が私と付き合って後悔していないか、知りたかっただけ」
「……んだよ、それ」

 そうは言ったものの、秘密の内容によっては彼もショックを受け、後悔するかもしれない。

 私が人間じゃないから……。

 自宅付近をゆっくりと歩き、門扉の前へと帰って来る。そこで触れるだけのキスをした後、白翔が心許ない瞳で言った。

「なんでか、俺。最近深緋といるときだけ、やたらと気ぃ失うみたいで。……ゴメン」
「……ううん」

 予感していた限界が、すぐそこまで迫っていると感じた。
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