吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 入り口がどこかを探そうと塀の角まで歩き、曲がったところでそれらしきものを見つけた。石造りの門に鉄製の柵が見える。おそらくはここの門だ。

 門番の女性がいると言われる……。

 神経が張り詰めるのを感じ、ゴクリと緊張を飲み込んだ。覚悟を決めて歩き出したとき。突然ポン、と肩に手を置かれた。

「ひゃっ!??」

 びっくりして飛び跳ねると、「深緋」と馴染みのある声で名前を呼ばれた。

 振り返って絶句する。

 なんで……??

 不意を打たれて言葉が出てこない。体中から力が抜けていくのを感じた。
 悄然(しょうぜん)として、深緋はその場にへなへなと座り込んでいた。

 家の前で別れたはずの白翔が、すぐそばに立っていた。

「深緋には悪いと思ったけど。家からずっとあとを尾けてきた」

 そう言って白翔は怪訝な目で深緋を見下ろした。

 ***
< 129 / 339 >

この作品をシェア

pagetop