吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
最後に玄関へ向かい、鍵を閉めようとしたところでドアが開く。一瞬、ビクと身を固くするが、顔を見せたのはスグルくんで、「ただいま?」と言いながら目を丸くしていた。
「お帰り、なさい」
言いながら、ぎこちない笑みが浮かぶ。冷や汗をかいたからだろう、背中がじっとりと湿っていた。
*
「っえ! 織田が!?」
翌日の学校で昨夜の出来事を白翔に話すと、彼はギョッとして目を見張った。
昼休み、人通りの少ない特別棟の階段で昼食を取っていた。深緋はスグルくんお手製のお弁当だが、白翔は購買部で買った惣菜パンや菓子パンだ。放課後の部活動を思うと、ご飯を食べた方がいいのでは、とつい思ってしまう。
「て言うか、家大丈夫なのか? 万が一盗聴器でも仕掛けられてたら」
「それは平気。今朝、盗聴器とか盗撮器発見のプロに依頼して、家中くまなく調べてもらったから」
「そっか」
ほう、と息を吐き、白翔の口元が幾らか緩んだ。
「だから深緋、今朝は遅れて行くって言ったんだな」
「うん、ごめんね。ちゃんと調べてからじゃないと会話するのも怖いし、早く安心したかったから」
「だよな」
相槌を打つ白翔を見てから「ただね」と言って、心配事を打ち明けた。伝承を書いた絵本が織田に持ち去られたかもしれない、と。
「勿論、ただの絵本だから内容は女吸血鬼とは関係ないってしらばっくれるつもりだけど」
うーん、と白翔が首の裏を触り、目を伏せた。
「お帰り、なさい」
言いながら、ぎこちない笑みが浮かぶ。冷や汗をかいたからだろう、背中がじっとりと湿っていた。
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「っえ! 織田が!?」
翌日の学校で昨夜の出来事を白翔に話すと、彼はギョッとして目を見張った。
昼休み、人通りの少ない特別棟の階段で昼食を取っていた。深緋はスグルくんお手製のお弁当だが、白翔は購買部で買った惣菜パンや菓子パンだ。放課後の部活動を思うと、ご飯を食べた方がいいのでは、とつい思ってしまう。
「て言うか、家大丈夫なのか? 万が一盗聴器でも仕掛けられてたら」
「それは平気。今朝、盗聴器とか盗撮器発見のプロに依頼して、家中くまなく調べてもらったから」
「そっか」
ほう、と息を吐き、白翔の口元が幾らか緩んだ。
「だから深緋、今朝は遅れて行くって言ったんだな」
「うん、ごめんね。ちゃんと調べてからじゃないと会話するのも怖いし、早く安心したかったから」
「だよな」
相槌を打つ白翔を見てから「ただね」と言って、心配事を打ち明けた。伝承を書いた絵本が織田に持ち去られたかもしれない、と。
「勿論、ただの絵本だから内容は女吸血鬼とは関係ないってしらばっくれるつもりだけど」
うーん、と白翔が首の裏を触り、目を伏せた。