吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
「ただ、あいつにバレたらまずそうなことは言わないつもりだけど」
「不老長寿ってこととか?」
「うん。他には儀式を受けるための絶対条件とか、あとは……」

 そこで口ごもる深緋を不思議に思い、白翔が首を傾げる。「あとは、なに?」と続け、瞬きをした。

「吸血に。自己修復作用が……あること」
「……は?」

 これまでずっと言葉にはせず、白翔にも秘密にしていた作用だ。案の定、「なにそれ」と突っ込まれ、羞恥心から俯いた。

「つまりね。私は怪我しても、吸血することでたちどころに治るの」
「……え」

 出来れば人間になるまで、これは隠しておきたかった。負傷しても血を吸えば傷が治るなんて、化け物と相違ない。

過去(まえ)に織田に刺されたときも。その直後に血を吸ったから……私の怪我はなんてことなかったの」
「そう、だったんだ?」

 白翔は眉を寄せ、少しの間勘考する。

「……けど。確かに隠した方がいいだろうな。知られたら無闇に深緋を傷付けそうな気がするし」
「そうだね」


 時間は刻々と過ぎ去り、あっという間に翌日の夕方を迎える。

 今回の対話で、ドラキュラの血を貰うという約束を(しか)と取り付けなければいけない。深緋は緊張から表情を固くし、白翔と待ち合わせの店先に佇んでいた。

 あと数分で約束の十七時(ごじ)を迎える。目線を周囲に向けたとき、通りの向こう側から信号を渡る織田の姿を認めた。

「二人とも早いね?」
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