吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
そばに置いた通勤鞄を開けて、織田が例の無くなった絵本を取り出した。ああ、やっぱり、と。深緋は表情に出さずに静かに落胆した。
「ごめんね。この間ちょっと気になったから借りて帰ったんだ」
そう言って織田から絵本を返された。
深緋は首を振り、「別に、絵本は関係ありません」と嘘をつく。
「ただ、白翔と同じ人間になりたいからです。だから織田さんの血を五十CCほど、わけていただきたいんです」
そう丁寧に申し出ると、「俺の血ねぇ」と呟き、織田はグラスに挿したストローをクルクルとかき混ぜた。バニラアイスが少しずつ溶けて攪拌されていく。
「別にいいっちゃいいけど。人間になるための具体的な方法っていうの? そういうのを全部教えてくれる?」
「……やっぱり。言わなきゃ駄目ですか?」
「そうだね、単純に知りたいから教えて?」
深緋は隣りに座る白翔をチラと窺った。白翔が無言で頷き返す。織田に下手な言い訳は通用しない。人間になるための方法を訊かれたら、女人の谷の存在を脅し文句にしようと、白翔と話し合って決めていた。
谷は同族以外の入村が許されず、中でも合言葉がわからなければ入ることすら叶わない。男性は必然的に血を奪われ、深緋の父親もそこで命を落とした。
人間になるためには、その地へ赴き、儀式を受けなければいけないが、男性が近づくには危険な場所なのだと説明をした。
「ごめんね。この間ちょっと気になったから借りて帰ったんだ」
そう言って織田から絵本を返された。
深緋は首を振り、「別に、絵本は関係ありません」と嘘をつく。
「ただ、白翔と同じ人間になりたいからです。だから織田さんの血を五十CCほど、わけていただきたいんです」
そう丁寧に申し出ると、「俺の血ねぇ」と呟き、織田はグラスに挿したストローをクルクルとかき混ぜた。バニラアイスが少しずつ溶けて攪拌されていく。
「別にいいっちゃいいけど。人間になるための具体的な方法っていうの? そういうのを全部教えてくれる?」
「……やっぱり。言わなきゃ駄目ですか?」
「そうだね、単純に知りたいから教えて?」
深緋は隣りに座る白翔をチラと窺った。白翔が無言で頷き返す。織田に下手な言い訳は通用しない。人間になるための方法を訊かれたら、女人の谷の存在を脅し文句にしようと、白翔と話し合って決めていた。
谷は同族以外の入村が許されず、中でも合言葉がわからなければ入ることすら叶わない。男性は必然的に血を奪われ、深緋の父親もそこで命を落とした。
人間になるためには、その地へ赴き、儀式を受けなければいけないが、男性が近づくには危険な場所なのだと説明をした。