吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
電話口の祖母の声は酷く慌てていた。何処か出先なのか、車のエンジン音が聞こえる。バタン、と扉の閉まる音も伝わる。
どうやらタクシーに乗ったらしく、運転手に行き先を告げている。場所は家から少し離れた総合病院だ。
「今はカラオケだけど。リリーさん、どう、」
『スグルが事故に遭った』
「……え」
どうしたの、と聞く間もなく、祖母の用件がかぶさる。一瞬で真顔になった。
『さっき救急車で運び込まれたって連絡があってっ、一刻を争うって。深緋も直ぐに来て!』
「わ、分かった」
いつも気丈な彼女の声は可哀想なほどに震えていた。タクシーの運転手に言った行き先と同じ病院名が告げられると、電話は一方的に切れた。
電話から切迫感が伝わり、通話を終えた頃には深緋の手も震えていた。
「仕方ない、会合はここで打ち切り。次回に持ち越すか」
「え」
「深緋ちゃん、早く行った方がいいよ?」
織田の言葉にハッとした。電話の内容が筒抜けだったと知り、深緋は即座に立ち上がる。
「行こう、白翔!」
隣りの彼を促し、個室の扉を開ける。「次回も手紙で知らせるね」と背後で織田の声が言った。
転がるようにカラオケボックスを後にし、白翔を引っ張って大通りに出た。タクシーを拾おうと右往左往する。
「深緋。リリーさんからの電話、なんて?」
どうやらタクシーに乗ったらしく、運転手に行き先を告げている。場所は家から少し離れた総合病院だ。
「今はカラオケだけど。リリーさん、どう、」
『スグルが事故に遭った』
「……え」
どうしたの、と聞く間もなく、祖母の用件がかぶさる。一瞬で真顔になった。
『さっき救急車で運び込まれたって連絡があってっ、一刻を争うって。深緋も直ぐに来て!』
「わ、分かった」
いつも気丈な彼女の声は可哀想なほどに震えていた。タクシーの運転手に言った行き先と同じ病院名が告げられると、電話は一方的に切れた。
電話から切迫感が伝わり、通話を終えた頃には深緋の手も震えていた。
「仕方ない、会合はここで打ち切り。次回に持ち越すか」
「え」
「深緋ちゃん、早く行った方がいいよ?」
織田の言葉にハッとした。電話の内容が筒抜けだったと知り、深緋は即座に立ち上がる。
「行こう、白翔!」
隣りの彼を促し、個室の扉を開ける。「次回も手紙で知らせるね」と背後で織田の声が言った。
転がるようにカラオケボックスを後にし、白翔を引っ張って大通りに出た。タクシーを拾おうと右往左往する。
「深緋。リリーさんからの電話、なんて?」