吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
「リリーさんの行き先で、心当たりはないの?」

 冷蔵庫から出した水を二人で飲みながら、今後取る行動について話し合うことにした。

「わかんない。でも、行くとしたら(すぐる)くんがいる場所だと思う」
「英さんの……って。病院……いや、通常なら通夜だから、葬儀場か?」
「うん。病院から近いところか……英くんの元々の実家から近い葬儀場……」

 そう言ったものの、彼が元々何処に住んでいたのか住所が分からない。それによくよく考えれば、深緋は英くんの本名、つまり苗字を知らないのだ。

「葬儀場以外で。リリーさんが行きそうな場所はないの?」
「え?」
「もしも、今日が通夜だったとして、明日が葬式だったとしたら……明後日にはまた違う場所にいるだろ? リリーさんが英さんとの思い出を辿るとしたら……何処へ行くか、分かる?」

 思い出の場所を……辿る?

 深緋はふと黙り込み、眉根を寄せた。祖母から直接そういった話は聞いたことが無い。でも英くんから聞いたかもしれないと記憶を手繰り寄せた。

 思い出を辿るとしたら、自分なら初めて会った場所へ行く。祖母が英くんに初めて会ったのは、一回前の高校生活を送っていた場所だ。

 そうだっ! リリーさんの仕事先。ホステスとして働くリリーさんを、英くんは遠目に眺めてたって言ってた。
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