吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
深緋は殊更大きく目を見開いた。容器の血液は暗く沈んだ朱色から徐々に薄まっていき、やがては無色透明に変化した。まるで魔法か何かを見ているみたいだ。
その液体を木でできた桝に移し変え、そばに控えている女性に渡す。女性が桝に一礼し、深緋へと運んだ。これを飲むということだ。
桝を取り落とすことの無いように、慎重に受け取り、そうっと口を付けた。温かい白湯のようなものが喉を流れ、深緋の胃に治まった。少量なので一気に飲み干せる。特別、味などはしなかった。元は血だったものが、何か別の物質へ変化している。
元より、深緋は白翔の血しか飲めない体なのだ。それを何の抵抗も無く飲み込めてしまった。
血ではない飲み物……。
不思議に感じながら、女性に桝を返してまたカムイさんに視線を向ける。彼女は続けて同じ動作を繰り返していた。
同じような呪文を口にしながら二本目の容器を小刻みに振っている。さっきと同様に血の朱殷が透明に変化する。
同じ桝に液体が移され、女性が再び持って来る。二度目も落とすことなく受け取り、中身を一気に飲み干した。気のせいか胃の中がじわじわと熱くなる。
カムイさんは三本目の容器も同様に、右端の葉に垂らして、短く息を吸い込んだ。前の二回とは若干違うような呪文を唱え、同じ動作をする。
その液体を木でできた桝に移し変え、そばに控えている女性に渡す。女性が桝に一礼し、深緋へと運んだ。これを飲むということだ。
桝を取り落とすことの無いように、慎重に受け取り、そうっと口を付けた。温かい白湯のようなものが喉を流れ、深緋の胃に治まった。少量なので一気に飲み干せる。特別、味などはしなかった。元は血だったものが、何か別の物質へ変化している。
元より、深緋は白翔の血しか飲めない体なのだ。それを何の抵抗も無く飲み込めてしまった。
血ではない飲み物……。
不思議に感じながら、女性に桝を返してまたカムイさんに視線を向ける。彼女は続けて同じ動作を繰り返していた。
同じような呪文を口にしながら二本目の容器を小刻みに振っている。さっきと同様に血の朱殷が透明に変化する。
同じ桝に液体が移され、女性が再び持って来る。二度目も落とすことなく受け取り、中身を一気に飲み干した。気のせいか胃の中がじわじわと熱くなる。
カムイさんは三本目の容器も同様に、右端の葉に垂らして、短く息を吸い込んだ。前の二回とは若干違うような呪文を唱え、同じ動作をする。