吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 たわいないお喋りに興じながら、仮初めの友人たちと体育館に向かった。

 授業ではバスケットをするらしく、球技が得意な深緋は、張り切って体を動かした。

 背は低いが、跳躍力はあるので、何本かシュートを決めてチームメイトとハイタッチをする。

 やがてコートから下がり、次のチームと交替をした。スポーツタオルで汗を拭っていると、不意にドッと歓声が湧き、女子の黄色い声で騒がしくなった。

 隣りのクラスの尾之上(おのうえ)グループが、キャッキャと嬉しそうに飛び跳ねている。時々、深緋に因縁をつけてくる四人組だ。

 歓声の原因に目をやると、思った通り、男子コートの中で白翔が活躍していた。

 スリーポイントシュートが決まったらしく、満面の笑みでガッツポーズを決めている。

「かっこいいよねぇ、大路くん」
「うんうん、まさに王子さまって感じで」

 教室で一緒にいる事の多いミカとモモコが、恍惚な瞳で物憂いため息を落とす。

 白翔、相変わらずの人気だなぁ。確かに見た目も良いもんね……。

 そう考えたところで、血も美味しいし、と内心で呟いてしまう。昨夜の血の味を思い出し、うっかり吸血欲に駆られた。

 口元に手を当てながらチラッと目を向けると、なぜか視線がぶつかりギョッとなる。
 白翔が嬉しそうに笑うのを見て、深緋は思わず目を逸らした。

 なんだろう、なんか……。居心地が悪い。
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