吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 深緋は抑揚なく「ごめん」と呟いた。

「私そういうの興味ないから」

 正直、付き合いたいとか、そういう感情はよく分からない。ペットにするという感覚の方がよほどピンとくる。

「……白翔とは仲良いのに??」

 真剣な八城の瞳を見て、首を傾げた。

「言ってる意味が、よく分からないんだけど」
「っあ。そうだよな。ごめん、忘れて」

 八城は急に俯き、慌てて立ち上がると、また体育館へと戻って行った。

 確かに、この学校で唯一仲が良いと言えるのは白翔に違いないが。それは『ご近所さんだから』と『向こうがやたら好意的に話しかけてくるから』だ。

 たまたま近所に住んでいるから、通学路が重なって電車の中で少ししゃべる程度なのだ。

 クラスは同じだけど、学校では極力話しかけないでほしいと言ってあるし、白翔もそれを了承してくれている。

 よく、分からない……。

 胸の奥がギュウッと痛くなって、モヤモヤして、気分が優れない。

 それでも頬に当たる風に少しの癒しを感じて、深緋もまた体育館へ戻った。

 *

 え。なんで……??

 体操服から制服に着替え終えたところで、置いたはずのペンダントが無くなっているのに気がついた。

 ロッカーの中身を全て出し、隅々まで確認するが、楕円形のあのロケットペンダントは何処にも見当たらない。

 おかしい、確かにここに置いたはず。

 深緋は深緋らしくもなく、珍しく取り乱していた。

「深緋ちゃん、どうしたの?」
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