吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 仕方ない。放課後の部活動を待つか。

 深緋は腰を上げ、再びペンダントの捜索に取り掛かった。バスケ部やバレー部によって倉庫が開けられるまでの辛抱だ。

 黙々とバレーボールのカゴや得点表、カラーコーンの周辺に目を配る。跳び箱のあたりを探してから、積み重ねられた体操マットを見つめた。

 そこに無ければここには最初から無かった事になる。無論、自分の見落としは否めなかったが、ペンダントという小さな物だけに、隠されたら中々見つけられないと思っていた。

 六限の終わりを告げるチャイムが鳴った。放課後になったことを理解して、もう何度目かのため息を落とす。

 とにかく、目と手を動かそう。

 体操マットに近付き、上から順番に根気よく見ていく。一枚目をめくって(わき)によけ、二枚目も同様に調べる。その作業を繰り返していると、不意に小さな金属音を耳で拾った。

 細い鎖が擦れるような、シャラッという音が鳴り、硬い床にぶつかるのがわかった。

 マットの奥に落ちた?

 一縷の希望が湧いて、奥へと体を滑り込ませる。

 すると突然、ガラッと倉庫の扉が開いた。部活をする生徒たちだと思い、顔を上げる。

「あ」

 短く声を発すると、怪訝に眉を潜めた白翔と目が合った。

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