吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 両手でボールを抱っこしたまま、いつの間にかゴールに向かってシュートを放つ彼のフォームに見惚れていた。オレンジのボールは綺麗な弧を描き、吸い込まれるように白いネットの中に沈んだ。パシュ、と小気味よい音が鳴る。

「シュート、上手だよね。みんな白翔に夢中になってたよ」
「ハハッ、バスケ部が外すと恥ずかしいだろ」

 ドリブルを刻む白翔はフッと口角を上げて笑い、深緋に目を向ける。

「そういう深緋だって、今日楽しそうにシュートしてたじゃん?」

 見てたの?

 なぜか恥ずかしくなって、唇を結んだ。

「あのさ。深緋は気付いてないかもしんねーけど。俺、けっこうおまえのこと見てるよ」

 二度目に打った白翔のシュートと共に、心臓がドクンと音を立てる。

「つーか……。俺だけじゃないけど」
「え……」
「男子も女子も……ついでを言えば先生も。深緋って寡黙のくせに目立つよな?
 まぁ。優等生だし、色白で美人だし? 当然と言えば当然なんだけど」

 落ちたボールを拾い、白翔はダンダンとドリブルを続けた。

 優等生、と言われると、どうにも気が引ける。深緋は白翔たちと違って、何度も何度も高校生をやっている。すなわち、歳を取らない留年を繰り返している。何度も同じ授業、同じテストを受けているのだから、勉強が自然と身につくのは当然の結果だ。
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