吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 保健体育の授業でも思春期の異性に対する気持ちとやらを何度も反復して習っている。

 本音を言えば、白翔と恋人同士になりたい(・・・・・・・・・)

 血以外に提供することを経験してみたいし、気持ちを自覚してからというもの、白翔への恋慕が日増しに膨らんでいたからだ。

 好きと伝えられないと、余計にその気持ちが増えていく。

 だけどまだ死にたくはない。恋をした吸血鬼の末路は、相手の寿命に付き従った“死”だ。

 半袖ブラウスの奥で揺れるロケットペンダントを、ギュッと握り締める。

 亡くなった母のことを何ひとつ知れていないのに、まだ“かわいそうな女の子”にはなりたくない、そう思っていた。

 *

「おっ、この間言ってた通り魔捕まったって!」

 夏休み前日の終業式が体育館で行われ教室へ戻ると、スマホ片手に男子が何人かで寄り集まってそんな会話をしていた。ネットニュースだ。実のところ、深緋自身も気になっていた。

「犯人は篠塚容疑者、45歳、無職……現場を取り押さえられてあえなく逮捕……凶器となったアイスピックから三件続いた犯行の自供を促している、だってさ?」
「へ〜ぇ。ってかさ、大体犯罪おかす奴って無職のオッサンが多くね?」
「確かに!」
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