吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 未だに漂う甘い香りに物憂い吐息をもらす。まだじわりと滲んでいるのだろう。

 深緋は口をモゾモゾさせてから、ペロリと唇を舐めた。

 欲しいけど、我慢、我慢……、我慢。

「んだよ、それ。……煽ってんのかよ」
「え」

 一瞬にして、白翔の瞳に強い意思が宿った。そのまま深緋の細い肩を掴み、壁へと押し付ける。

「ちょ、白翔っ」

 異変を察知し、俯こうとするが、顎を掴まれ阻止される。

 熱い吐息が頬をかすめたと思った時には、赤く潤う唇を、白翔のそれが塞いでいた。

「……んんっ、」

 キスと理解して、思わず目を見張った。慌てて白翔の胸を押し返す。が、びくともしない。

 白翔の舌にペロリと唇を舐められ、少し開いた隙間からぬるりとした感触が割り込んでくる。

 口腔を這い回る熱い舌に、深緋のそれも絡めとられて視界が細くなった。

 ちょうど吸血をするみたいにチュウチュウと舌を吸われて、頭が熱に浮かされる。

 無理やり顔を背けてその舌と唇から逃れるが、両手で頬を包まれてまた捕われる。

「……ハク、ッん」

 膝から力が抜ける。

 なにこれ。立ってるのがやっとで、へたり込みそう。

 足元がふらつき、壁に背を付けた。白翔の手が深緋の腰に添えられる。

 こんなの、知らない。
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