恋愛Sim★comp
【始業の鐘の音】
沈黙に、開いた微妙な距離で教室に向かった。
授業どころではない。
比名琴は、俺の視線を感じるのか……落ち着かない雰囲気。
トラと文一ちゃんは、授業中なのにウザイ雰囲気。
授業が終わると、二人はどこかへ消えるし。比名琴も、俺を避けている。
俺は、シュウちゃんを捕獲した。
「……幾久くん?何……かな?」
何故か、赤面で訊く。
「トラ達、何があったの?どうして、比名琴は俺を避けるのかな?」
俺の質問に、涙を零して。
「知らない……ですぅ。お願いです、私に訊かないで……恥ずかしくて死にます!!」
何が?!!
「柊規!……お前。何、泣かしてんだよ!!」
おぉ!!修羅場っぽい!!
体験したことの無い場面に遭遇し、初めての体験にメモを取る。
俺の胸座にある手が緩む。
「……柊規、これ……コトちゃんの?」
「うん。コトが避けてるの……。例の話よ。」
俺は、殴られなくて済んだが……
「あぁ、シュウちゃんの彼氏さん?はじめまして、蓬来 幾久です。」
俺の自己紹介に、二人はため息を吐いた。
……?
普通は、難しいようだ。
「はじめまして。夏梅生 命(なつめき みこと)です。……柊規、外してくれる?」
「うん。」
屋上。
次の授業を、初めてサボった。何だか、ドキドキする。
「なぁ、俺までいいのか?」
「あぁ。作品の意見に、必要だと先生に伝えたらOKだったよ。」
俺の笑顔に、また……ため息。
「夏梅生くん。どうして、比名琴は俺を避ける……はっ、別れ話?!」
俺は、青ざめる。急に、血の気が引いたのを感じる。
そんな俺に、今度は苦笑い。
「無いよ!二人には。」
俺達には?
「ふっ。ホントに、普通じゃないよ。……羨ましいけどな。別れから始まって、恋愛を始めるなんて最強だ。最近、文一が別れたのは聞いた?」
「……あぁ。今はトラと付き合っている。」
何だろう、この会話も俺の世界が変わる。
トラと違った感化。
「俺は、この関係がいつか壊れるのか不安な時がある。傷つけて、嫌われたらどうしよう?って……」