恋愛Sim★comp
俺は、メモを広げ気持ちを綴る。
比名琴に気持ちを伝えるのは、声だけじゃない。俺の本領発揮は文章だ。
溢れる気持ちが綴られ続け、止め処なく流れる。
ウザイ嶋関を押し退け、比名琴に渡した。
涙目で青ざめた表情……。メモに目を落とし、一通り読んだ後……俺に微笑んだ。
【きゅぅ~~ん】
胸が苦しい。目が回りそうだ。
あぁ、今すぐ抱きしめたい!!
比名琴は落ち着いたのか、嶋関を含んで会話が弾んだ。
俺にとっては、邪魔以外の何者でもないが……。
これも編集長の罠だろうか?
そんな気がする……。大人って汚い。信用も出来ない。
この嶋関は、何を考え何を思うのだろう?ふと、疑問に思った。
社会に出て、年下のご機嫌を取る。理不尽じゃないだろうか?
人との係わりが、俺を変化させていく……
飛行機は、沖縄に到着。
当然、南国の暖かさに驚いた。同じ日本なのに、季節が違う。
キョロキョロと周りを観察する俺に声がかかる。
「幾久くん、飛行機はどうだったかね?」
「……編集長、どこにいたんですか?」
「ビジネスクラスだよ。君は、一般をまず経験しようね。小説をリアルにしないといけないから」
……。
汚い。嶋関の経費削減かな?
ま、いいか……。比名琴が、とても嬉しそうだ。
今日は金曜日。近くのイベントだと言って、俺たちは学校を休んだ。
公に旅行なんて、世間体がね……と、編集長の計らいで。
もちろんトラたちにも内緒だ。
比名琴は、安心していた。
多分『しない』宣言の所為だろう。
トラと文一ちゃんは、付き合って2週間。
振られた文一ちゃんの心は、トラを受け入れた。
「あぁ、嶋関……タクシーに依頼して観光スポットを巡るようにしている。お前も、保護者として同伴しろ。幾久くん、比名琴ちゃん……荷物は俺と一緒に、先にホテルに運ぶけど良いかな?」
編集長の手際の良さに驚きながら、荷物を預けた。
「じゃあ、おじさんはホテルで休むから。楽しんでおいで。」
「「「行ってきます!」」」
編集長は、笑っていた……