恋愛Sim★comp

道の往来のど真ん中。一風変わった二人の男女。
明らかに、空気が違う。違和感に、男は戸惑っていた。
女は、どちらかと言うと怒っている風だ。

「ちょっと、何をメモってるの!何なの?説明してよ!!」
おっと、癖で違う世界にいた。
「改めまして。俺の名前は、蓬来 幾久(あらい いく)。さっき、あんたが馬鹿にしていた作家。生頼 奥谷(きせ おくや)。」

俺の自己紹介に、少し顔を引きつらせていた。
多分、名誉毀損あたりのことが頭を過ぎったのかな?
「あの、本人?ちょ、こんなどこにでもいる女子高生の一言ぐらい!気にしないわよね?」
あぁ、気にしない。本当のことだし♪
けど、鴨を見つけたら葱を背負わせないとね!
「いやいや十分傷ついたよ。衝撃過ぎて心を奪われた。責任を、取ってくれるよね?」
君の表情が、どんどん青ざめていく。
うん、現実的な子だ。色々な状況を、この一瞬で整理しているんだろう。
面白い。多分、属性はツンデレか?
金銭的な面に弱そうだし♪期間限定で、押し切ってみるか。

綺麗な子だ。背は、高め。綺麗な黒髪が、背中まである。
制服は、きちんと着こなしているように見せかけて、短めのおしゃれを意識したセンスが見える。

「で、私にどうしろと?」
うん、理解力があるから説明も省けそうだ。
「自信を取り戻すのに、アイデアをもらいたい。一年のイベントを現実的に経験したい。どうかな?年間100万。オプションには、個別でお金を払うよ?」
俺の笑顔の提案に、口をポカンと一瞬。
目が右上に動いて、何かを考え視線が戻る。
「詳しく、説明して欲しい!」
釣れた!

喫茶店へ移動する。
俺は、コーヒーを注文した。彼女は、ココア。うん、何か女の子って感じ。
「実は、姉を病気で亡くしてね。その姉の遺言で、小説を書いて投稿した結果が今に至るわけ。」
「お姉さんは、小説家だったの?」
疑問に思ったことを的確に訊いてくれる。
やりやすいな。この子に決めたぞ!
「いいや、OLだった。小説は趣味で、始めたばかり。」


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