恋愛Sim★comp
何、時間の計算をしてるんだ?
【携帯の着信音】
「ぎゃっ!!」
心臓が、今までに経験したことがないぐらいに跳ねている。
はぁ~~はぁ~~
「幾久?」
比名琴の声に、体が反応する。
あぶねぇ~~、こんなの比名琴にバレたら……。
「ね、聴いてる?」
「はい?!……ごめん、ちょっと……荷物が落ちて、聞いてなかった。へへ……何?」
「うん。あのね……」
花火の時間には、まだ早いけど……浴衣姿を見て欲しいなんて、可愛いことを耳元で君は囁く。
実際は、携帯なんだけど……
「……じゃぁ……10分後に、屋上で。うん、楽しみにしてる。」
ベッドに座り、気持ちを落ち着かせる。
はぁ~~。編集長、比名琴は『しない』宣言をしているんです。
……けど、前に……比名琴が言った。心の準備……やべぇ!!
屋上。
特別なイベントに、大人たちが飲んでいる。
美味しそうな匂いも沢山……。
さっき、食べたばかりなのに……匂いに誘われながら、比名琴を探す。
「……幾久?目の前にいるんだけど??」
俺の斜め前に、俺を見つめる美しい女性。
浴衣で、髪をアップにして薄化粧。少し短い髪が、誘惑するように揺れる。
「……比名琴?いつもより綺麗で……マジ??」
「へへ。綺麗?」
「うん……」
誘われるように、比名琴の元に行く。
「嬉しい……私、自分が嫌いで……ふふっ。こんな自分初めて。自分を見て欲しい……可愛くしたい……幾久が、どう思うかなって……くすっ。女の子みたいだね♪」
俺は、無意識に抱きしめる。
「比名琴……可愛い。綺麗な外見に、心が……内面が可愛くて……俺、おかしくなりそうだ……」
「幾久……私……」
【……ヒュ……ドォン】
「「……花火……」」
俺たちは顔を合わせ、微笑む。
「行こう。もっと近くで見よう!」
「うん!」
手をつなぎ、低いフェンスに二人並んで空を見る。
遠くに海が見え、花火を映す。
「……綺麗。」
そう言って見上げる比名琴が、とても色っぽく見える。
つないだ手が緩く……離れそうだ。
顔が熱くなる……少しの勇気……