恋愛Sim★comp

俺は、指を比名琴の指に絡め……つないだ。
「……?!」
驚いた反応で、俺を見た比名琴……
けど、君は俺の必死な表情に微笑んだ。
「……いいよ?……幾久……へへっ、恥ずかしい……な?」
何て、可愛い!!
【きゅうぅ~~ん】
恋人つなぎで満足なはずなのに……足りない。貪欲になる。
ほんの少し……ちょっとだけ……いいよね?俺は、顔を近づける。
比名琴は、目を閉じ気味に……俺の唇を待つ。
屋上の賑わいも、花火の音も聞こえない。
比名琴の唇だけを感じる。
柔らかい……甘い……感情のままに……求めたい。
軽く重ねた後、離れた俺を見つめ続ける比名琴。
もう少し、イケそう?
空気の違う環境に心が踊り、調子にのってしまう。
比名琴も、少し……雰囲気が違う?
「……ね、舌……入れてもいい?」
「ばか……」
視線を逸らしたけど、ダメとは言っていない。
雰囲気的には、OK……な、気がする。
「比名琴……」
つないだままの手に、力が入る。
あいた手で、比名琴の腕を押さえた。
「……幾久……」
頬を染めながら、俺を受け入れる視線。
我慢できず、勢いよく吸い付いた。
「んっ……」
腕を押さえていた手は、比名琴の頬に移動し上を向かせた。
つないだ手は、比名琴の指に入り込んだ感覚……。
柔らかい唇が、俺の舌を通す。
【ビクッ】
君の反応は、驚き?拒絶?
……それとも、感じた……の?俺が感じたように……
潤んだ瞳で、苦しそうに……でも、応えるのに必死なの?
壊してしまいそうだ……
「はぁ……はっ……」
息の切れた比名琴が、こんなことをした俺に身を委ねるように、腕の中にいる。
愛しい……

屋外にいる。ざわめきが耳に入り、周りに人がいたのを意識した。
普段なら、比名琴も、俺も……こんな大胆なことはしない。出来ないだろう……。
編集長の罠にかかっている。
尚更、アレはない。ダメだ……流されると、比名琴を失いそうだ。
頭にある醜い自分の欲望を吐き出したら、君を汚す。
今のこの行為も、何処か……間違っている気がする。
何故……?


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