恋愛Sim★comp
~大人編~
異世界の住人
時は流れ、周りの環境も変化する。
永遠を見た想いも、消えたわけではないのに……君は、今も……俺を好きだろうか?
俺は、流され……君を信じきれず……
ただ、自分に言い聞かせる。言い訳だ……
君の世界は、美しい。俺は、それに相応しくない。
いつだっただろう……君がその言葉を出したとき、俺は笑った。
そんな世界に俺は、いないのだと……
それでも、君は今……そこにいる。
いつから?どうして?君の姿は見えるのに……君は、俺を見ていない。
君の声、君の言葉……聴こえるのは、テレビの中。
映画化が進み、君が採用された。
相手役は、俺ではないのに……君の人気が高まり、君は俺の知らない世界に入った。
どこにいても、どんな環境になっても……君も俺も変わらないと信じていたのに……
蓬来 幾久(あらい いく)。大学1年。
夢のように幸せな物語で有名な小説家は、もういない。
生頼 奥谷(きせ おくや)は、現実的な物語を書く。
恋愛から逃げ、サスペンスや脚本の一部を手がけるようになった。
荻原 比名琴(はぎわら ひなき)……彼女は、俺と付き合っていた……はず。
連絡も取る。彼女は公にしているし……俺の名を出し微笑む。
いつからだろう?それを、素直に喜べなくなったのは……
陰で会い、求めるのは心のはずなのに……足りなくて……触れる君に、現実を感じない。
俺は、何が壊れたのだろう?
「幾久……」
君の表情も、声も……不安が伝わる。
分かっている……ごめん……俺は、自信がないんだ。
「別れよう……」
「嫌よ。私があの世界を去ればいい。ね、幾久……」
「ごめん……」
残酷にも、時間は止まることもなく……陽は落ち昇る。
戻ることなどない。
「先生!」
聞き慣れた声に、安心を覚えるようでは俺も終わりかな?
昼食を、自分の分だけ用意して……
「嶋関さん。机の上は汚さないでください。」
汁物を零しているのが目に入る。
「比名琴ちゃんは、どうしたの?」
相変わらず、無神経な事を平気で訊くんだね。
「別れたよ……昨日。」
時間が止まる。
「ま、またまたぁ~~♪」
「本気。その名は言わないで……」