蒼穹の覇者は、激愛で契約妻と秘密の我が子を逃がさない
そのままチェックインが続き、その流れが落ち着くと玲奈は改めて梢に意見する。
「梢さん、どうして202号室のお客様を受け入れたんですか? 梢さんは、あのお客様のことを、嫌っていたはずじゃないんですか?」
パソコンに必要な情報を入力する玲奈は、カウンター周りの片付けをする梢に文句を言う。
悠眞を名前で呼ばないのは、彼をお客様として扱うという玲奈なりの意思表示だ。
「確かにそうね。玲奈ちゃんのことをあっさり見捨てた薄情者だと思ってたから。でも昨日、鷹條さんからの連絡をもらって直接話をさせてもらったことで、考が変わったの」
やはり昨日梢が会いに行った相手は、悠眞だったのだ。
そして話をしたことで、梢の彼に対する価値観は一変したらしい。
(悠眞さんに対する梢さんの印象が改善されるのは、うれしいけど)
「だからって、彼の宿泊を許さなくてもいいのに」
じっとり恨みがましい視線を向ける玲奈に、梢は肩をすくめて言う。
「そもそもそんな一方的な理由で、お客様を断ることなんてできないでしょ。仕事なんだから」
「そう……ですけど。梢さんは、なにをしたいんですか?」
「私は可能性を示したいだけよ。実際に話してみて、鷹條さんとやり直すという未来を考えてもいいじゃないかと思ったから、話し合う機会を作っただけ。玲奈ちゃんに話し合う気がないなら、ただの客として接するって約束だから」
「やりなおすって……ずっとここにいてよかったんじゃないんですか?」
「黙っていなくなるなんて許さないって言っただけよ。幸せになるための旅立ちを、邪魔する気はないわ」
あっけらかんとした口調で話していた梢は、表情を引き締めて言う。
「それにもしまた幸平さんたちが押しかけてくるようなことがあったら、あの子たちのためにも、いざという時に守ってくれる人は多い方がいいでしょ」
「お父さんたち……」
「鷹條さんには、幸平さんたちのことは話してないわ。義務感で近くにいるといわれるのは、不本意でしょ」
梢が言う。
あの時は、玲奈が倒れたことと、梅田の剣幕に押されて幸平たちは引き上げていったらしい。
でもあの口ぶりからして、諦めてはいないだろう。
確かに双子のためを思えば、その方がいいのかもしれない。
(だけど今さら、悠眞さんに頼るなんて……)
「話したくないと思うなら、他のお客様と同じように接すればいいだけよ」
あれこれ考え込む玲奈の肩をポンと軽く叩くと、梢は厨房へと向かった。
「梢さん、どうして202号室のお客様を受け入れたんですか? 梢さんは、あのお客様のことを、嫌っていたはずじゃないんですか?」
パソコンに必要な情報を入力する玲奈は、カウンター周りの片付けをする梢に文句を言う。
悠眞を名前で呼ばないのは、彼をお客様として扱うという玲奈なりの意思表示だ。
「確かにそうね。玲奈ちゃんのことをあっさり見捨てた薄情者だと思ってたから。でも昨日、鷹條さんからの連絡をもらって直接話をさせてもらったことで、考が変わったの」
やはり昨日梢が会いに行った相手は、悠眞だったのだ。
そして話をしたことで、梢の彼に対する価値観は一変したらしい。
(悠眞さんに対する梢さんの印象が改善されるのは、うれしいけど)
「だからって、彼の宿泊を許さなくてもいいのに」
じっとり恨みがましい視線を向ける玲奈に、梢は肩をすくめて言う。
「そもそもそんな一方的な理由で、お客様を断ることなんてできないでしょ。仕事なんだから」
「そう……ですけど。梢さんは、なにをしたいんですか?」
「私は可能性を示したいだけよ。実際に話してみて、鷹條さんとやり直すという未来を考えてもいいじゃないかと思ったから、話し合う機会を作っただけ。玲奈ちゃんに話し合う気がないなら、ただの客として接するって約束だから」
「やりなおすって……ずっとここにいてよかったんじゃないんですか?」
「黙っていなくなるなんて許さないって言っただけよ。幸せになるための旅立ちを、邪魔する気はないわ」
あっけらかんとした口調で話していた梢は、表情を引き締めて言う。
「それにもしまた幸平さんたちが押しかけてくるようなことがあったら、あの子たちのためにも、いざという時に守ってくれる人は多い方がいいでしょ」
「お父さんたち……」
「鷹條さんには、幸平さんたちのことは話してないわ。義務感で近くにいるといわれるのは、不本意でしょ」
梢が言う。
あの時は、玲奈が倒れたことと、梅田の剣幕に押されて幸平たちは引き上げていったらしい。
でもあの口ぶりからして、諦めてはいないだろう。
確かに双子のためを思えば、その方がいいのかもしれない。
(だけど今さら、悠眞さんに頼るなんて……)
「話したくないと思うなら、他のお客様と同じように接すればいいだけよ」
あれこれ考え込む玲奈の肩をポンと軽く叩くと、梢は厨房へと向かった。