Dearest My Lady
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ホテルを利用した保護動物譲渡促進プログラムは、その会期が終わってからも、イベントの反響は想像以上だった。

譲渡成立数、来場者数、メディア露出——そのどれもが初の取り組みとは思えないほどの数字を記録し、公開されたネットニュースには好意的なコメントが次々と寄せられた。

《安心して迎えられる仕組みがあるのがありがたい》
《医療体制まできちんとした説明があって信頼できた》

そんな声が並び、ホテル側にも他施設からの問い合わせが相次いだ。

『この形式、うちでも検討できませんか』

そうした連絡が、ひとつ、またひとつと増えていく。

単なる一度きりの企画ではなく、“継続可能なモデルケース”としての評価。それは偶然の成功ではなく、央があらかじめ織り込んでいた反響の延長線上にあった。

企画全体を描き、リスクと反響を読み切り、形にした彼の判断力。この一件は、月城グループの次代を担う存在としての評価を確かなものにする決定打にもなっていた。

同時に、世間の視線も変わっていった。

央の取材対応で語られた言葉──尊敬と愛情を迷いなく口にした一節は、記事や映像の中で繰り返し切り抜かれ、会場での二人のやり取りとともに広められた。

作られた演出ではない、自然に滲み出た想い。その空気ごと伝わったことで、ふたりの関係を覆っていた疑念はいつの間にか完全に姿を消していた。
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