Dearest My Lady
そう言った紬の声は、ほんの少しだけ震えていた。
央はすぐには答えなかった。代わりに絡められたままの指をほどき、そのまま紬の肩へと手を回す。そして驚く間もなく、身体ごと引き寄せられた。
胸に触れた体温と、静かな呼吸。言葉よりも先に伝わってくる想いに紬は自然と力を抜き、全身を預けた。
「……今までも」
低く、穏やかな声が耳元に落ちる。
「これからも、紬ちゃんの居場所は俺の隣だよ」
確かめるように、そっと抱きしめる腕に力がこもる。そのまま額が触れ、視線が近づき──そっと、優しい口づけが落とされた。
心も体も丸ごと包み込むような、ただ気持ちを重ねるためだけの触れ方。紬は小さく息を吸い、央の背中にそっと手を回す。そのまま導かれるように背中から倒れ、唇の重なりは、ゆっくりと深いものへ変わっていく。
「んっ……」
不意に、身体がこわばる。視線をどこに向ければいいのか、手をどこに置けばいいのかすらも分からない。けれど、やめないでほしいと思った。
初めて踏み込む距離に、戸惑いが追いつかない。それでも央の存在を近くに感じていると、このまま触れていてほしい──そんな想いが、胸の奥で熱を帯びて強くなっていく。