Dearest My Lady
「紬ちゃん!」
央の背中を見送っていた紬に、明るく弾む声がかけられた。振り向くと、上品で質のいい装いに身を包んだ瑠璃が手を軽く振りながらこちらへ歩いてくる。
相変わらず年相応に見えない、三十代と見紛うほどの若々しさと艶やかさを纏ったその姿は目を引いた。
「片付けは終わったかな?お昼のお店まで一緒に行こう!」
どこか有無を言わせない軽やかさに、紬は思わず笑みをこぼし、頷いた。
そのまま彼女の専属の運転手が運転する車で向かったのは、都内の落ち着いたレストランだった。通されたのは外の喧騒を感じさせない個室で、上質だが気取りすぎない空間に、二人で向かい合って腰掛けた。
メニューを選び終えてウェイターが静かに下がると、室内には親密な空気が満ちた。
「そうだ。さっきのリハビリ滞在型プログラムのプレゼン、すごく良かったよ!」
開口一番、瑠璃はぱあっと表情を明るくする。
「ハルちゃんもすごく楽しみにしているみたい。私としても、広告事業を統括する立場として、ああいう“想いがきちんと伝わる取り組み”は大切にしたいと思ってるの。発信の部分はこっちでしっかり支えるから、安心して任せてね」
「あ、ありがとうございます」
「ふふ、そんなにかしこまらないでいいよぉ。それに、昔みたいに“瑠璃ちゃん”って気軽に話してくれていいんだよ」
「えっ……! そ、それは……」