Dearest My Lady

静寂の中、神父の穏やかな声がチャペルに響く。

「新郎、月城央。あなたはここにいる天城紬を、生涯の妻として愛し、敬い、支え続けることを誓いますか」

央は一瞬だけ息を吸い、紬をまっすぐ見つめた。

「誓います」

揺るぎのない声だった。

続いて、神父の視線が紬へ向く。

「新婦、天城紬。あなたはここにいる月城央を、生涯の夫として愛し、敬い、支え続けることを誓いますか」

胸の奥が静かに高鳴る。
紬はまっすぐに前を見つめ、はっきりと答えた。

「……誓います」

誓いの言葉を交わし、指輪の交換へと進む。

央の指先が、迷いのない動きで紬の薬指へと指輪を滑らせた。その確かな温もりに応えるように、紬もまた央の手を取り、同じ場所へそっと指輪を返す。

「それでは、誓いのキスを」

央の指先が慎重にベールへ触れ、白いヴェールが持ち上げられる。差し込んだ光の中で、ふたりは触れるだけの、やさしい口づけを交わした。

唇が離れたあとも、ふたりはしばらく見つめ合ったまま、世界を忘れていた。

「ウォンッ」

不意にももの声が響き、ふたりは一瞬だけ驚いたように視線を交わし、すぐに小さく笑った。その笑顔につられるように、会場にもやわらかな笑いが広がっていく。

紬はゆっくりと顔を上げ、視線を巡らせた。

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